新生児マス・スクリーニング検査
〔先天性代謝異常等検査〕のお知らせ

新生児マス・スクリーニングとは

 これは、生後4~6日目のすべての赤ちゃんを対象にした大切な検査です。
赤ちゃんが生まれつきの病気をもっていることを知らずに放置すると、のちに障害が出てくるような病気があります。このような病気を生まれてすぐに検査し、見つけて治療することによって、知能障害や発達障害を予防したり、また重い症状が出ないように注意して日常生活をおくることができます。日本では、1977年から5つの疾患を対象として始まりましたが、技術の進歩によってさらに多くの疾患を対象とすることが可能となりました。

「新生児マス・スクリーニンング」って何?
~赤ちゃんの健やかな成長を願って~(PDF)

新生児マス・スクリーニングの対象疾患

 新生児マス・スクリーニングの対象疾患は、大きく分けて内分泌疾患(ホルモンの異常)2疾患と、代謝異常症(栄養素の利用障害)の17疾患を主に対象としています。また、この19疾患以外の疾患が見つかる場合もあり合わせて26疾患が対象となります。

 新生児マス・スクリーニング(先天性代謝異常等検査)の実施主体は都道府県および政令指定都市で、公費負担で行われています。検査は、産科の医療機関でお申込みください。
 採血施設の医師等がマス・スクリーニングの意義や必要性の説明を行い、ご家族の希望と同意(申込書の記入)によって実施されています。現在、北海道では例外を除いて100%の実施率が得られています。
 この検査によって精密検査が必要となった場合には、速やかに専門的な治療が受けられるように、検査結果とご住所(ご連絡先)を精密検査医療機関、コンサルタント医師、ならびに保健所へ通知いたします。保健所又は市町村の保健師が、精密検査の受診の確認や保健指導のために、保護者へ連絡を取ることがあります。
 現在この検査は、札幌市をのぞく北海道の産科でお生まれの赤ちゃんは、一般財団法人 北海道薬剤師会公衆衛生検査センターで、札幌市内の産科でお生まれの赤ちゃんは、札幌市衛生研究所で、検査が行われています。 
北海道(札幌市をのぞく)でお生まれの赤ちゃん
制度についてのお問い合わせ
北海道保健福祉部 子ども未来推進局 子育て支援グループ
         電話 011-231-4111 (内線25-768)
         www.pref.hokkaido.lg.jp/

新生児マス・スクリーニングQ&A

この検査の目的は?

A
 見かけは元気な赤ちゃんでも、生まれつきの病気を持っていることがあります。早くみつけて治療を行えば、知能・発育障害等を防ぐことのできる病気を、早期発見するために行っています。


どんな病気が見つかるの?

A
 タンデム質量分析計の導入により、より多くの疾患について検査ができるようになりました。
内分泌疾患
○先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)
 甲状腺から分泌されるホルモンが不足する疾患です。成長の遅れや知能障害がでることがあります。

○先天性副腎過形成症
 副腎から分泌される副腎皮質ホルモンが不足する疾患です。発育不良や重度の脱水で緊急を要することがあります。
代謝異常症
○ガラクトース血症
 ミルクに含まれる糖がうまく利用できないと、精神発達の遅れや、肝臓に障害をおこすことがあります。

○アミノ酸代謝異常症
 食物からとった、たんぱく質が分解されてアミノ酸になります。代謝に不具合があると蓄積したアミノ酸が身体に障害を起こします。どのアミノ酸がうまく利用できないかによって、さらに細かく分類されます。フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、シトルリン血症Ⅰ型、アルギニノコハク酸血症などです。

○有機酸代謝異常症
 アミノ酸が分解していく過程で、カルボン酸の形をとる中間代謝体を有機酸といいます。中間代謝過程の不具合のために有機酸がたまって障害を起こします。有機酸の種類によって、さらに細かく分類されます。メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸血症(HMG)、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸尿症Ⅰ型などです。

○脂肪酸代謝異常症
 炭水化物からのエネルギーが足りなくなると、中性脂肪から脂肪酸がはずれてそれが代替エネルギー源になります。代謝に障害があると空腹時などにエネルギー産生不全状態におちいります。脂肪酸の種類によって、さらに細かく分類されます。中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(MCAD)、極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(VLCAD)、三頭酵素(TFP)/長鎖3‐ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素欠損症(LCHAD)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ‐1欠損症(CPT-1)などです。

検査は受けなければいけませんか?

A
 検査は強制ではありませんが、検査を受けないで後に病気が発症した場合、赤ちゃんに障害が残る事がありますので、全員の方に受けていただく事をお勧めしています。我が国では1977年から全国実施されている障害発生を予防する公的事業です。生まれる赤ちゃんのほぼ全員が受けています。


実際にどんな検査を受けるのですか?

A
 生後4~6日目の赤ちゃんのかかとから、ごく少量の血液をろ紙にしみ込ませて、専門の検査機関に送り検査します。検査で陽性を示した赤ちゃんは、各地の専門医の診察を受け、必要に応じて治療や生活指導を受けます。

検査にお金がかかりますか?

A
 検査は無料で受けられます。ただし採血に必要な費用は自己負担となる場合がありますので、こちらは各医療機関にお問い合わせください。


検査の結果はどうやって分かりますか?

A
 異常が疑われた時は、直ちに採血した医療機関を通じてお知らせします。
正常の場合は、採血の日から15日程度で採血をしてもらった医療機関に結果を郵送します。検査施設への個別の問い合わせは、受け付けていません。


再検査(再採血検査)と精密検査の違いを教えてください?

A
 再検査(再採血検査)とは、最初の検査で確実に正常と判断できない時に、念のためもう一度検査することです。再検査は100人にひとり程度の割合で必要となります。初回あるいは再検査の結果、疾患の疑いがある場合には精密検査となります。精密検査は専門の小児科の医療機関で病気かどうか正確に診断するために行う検査です。ただし精密検査をうけた赤ちゃんがすべて患者というわけではなく診断の結果正常となる場合があります。


赤ちゃんに病気が疑われた場合、どうなるのですか?

A
 採血を受けた医療機関を通じてご連絡致します。その際に精密検査や治療ができる医療機関をお知らせし、ご相談致します。大切な赤ちゃんを守るため、万が一病気が発見されても、速やかに専門的な治療が受けられるように、精密検査医療機関、専門のコンサルタント医師、ならびに地域の保健師が連携をとって支援する体制が整っています。個人情報は、厳重に保護管理しています。

ご家族の方へ

 新生児マス・スクリーニングで検査できる疾患は、技術の進歩とともに多くの疾患が対象となりました。いずれの疾患にも治療法があり、適切な治療をうけることで多くの新生児は健康に発育する事が出来ます。
 病気によっては、検査結果が判明する前に発症していたり、体調不良を呈している場合もあるかもしれません。しかしその場合でも、早期の診断により迅速な治療が可能となり、マス・スクリーニングによる早期発見の効果が期待されています。
 また、新生児マス・スクリーニングによって、主に対象としている19疾患以外の病気が見つかる場合もあり、合わせて26疾患が対象となります。その場合には、精密検査を受ける病院で詳しい説明があります。


 検査機関では採血したろ紙を3年間、その検査データを5年間保管した後廃棄しております。
また、精密検査を行ったデータなどにつきましては、経過観察に必要なことから、永年保存することとします。
 マス・スクリーニングの精度と病気の発生頻度、治療効果等の把握、またシステムのさらなる改善を目的に、精密検査数の統計を取っています。

新生児マス・スクリーニング検査[先天性代謝異常等検査]のお知らせ(691 KB)

リンク

○日本マススクリーニング学会
www.jsms.gr.jp/

○北海道保健福祉部子ども未来推進局 子育て支援グループ
011‐231‐4111(代)
www.pref.hokkaido.lg.jp/

○札幌市衛生研究所
011‐841‐7672
www.city.sapporo.jp/eiken/