1.はじめに
遊泳用プールや学校プールでは遊泳者が快適で衛生的に利用できるように、プール水の検査が義務づけられています。多くの人が(幼少児等も)利用することから、水質基準で定められた値以下であることを保つことが重要であり、これを水質検査により確認しなければなりません。
なお、細菌の繁殖を抑制する目的で一般的に塩素を用いることから、総トリハロメタンの検査を年に1回、レジオネラ属菌検査も施設の設備状況により年1回実施することとなっています。
また、ろ過機の性能確認のためろ過水の濁度も年に1回実施することとされています。
2.検査項目、基準値及び検査頻度
1)遊泳用プール
項目名 |
基準値 |
検査頻度 |
水素イオン濃度 |
5.8以上8.6以下であること |
毎月1回以上 |
濁度 |
2度以下であること |
毎月1回以上 |
過マンガン酸カリウム
消費量 |
12mg/L以下であること |
毎月1回以上 |
遊離残留塩素濃度 |
0.4mg/L以上であること、また、1.0mg/L以下であることが望ましい |
毎日午前中1回以上
午後2回以上
(このうち1回は、遊泳者数のピーク時に測定することが望ましい) |
(二酸化塩素濃度) |
0.1mg/L以上
0.4mg/L以下であること |
(亜塩素酸濃度) |
1.2mg/L以下であること |
大腸菌 |
検出されないこと |
毎月1回以上 |
一般細菌 |
200CFU/mL以下であること |
毎月1回以上 |
総トリハロメタン |
おおむね0.2mg/L以下であることが望ましい |
毎年1回以上
(通年営業、夏季営業のプールは6~9月、それ以外の時期に営業するプールは水温が高めの時期に行う) |
*レジオネラ属菌 |
検出されないこと |
年1回以上 |
※
気泡浴槽採暖槽等の設備その他のエアロゾルを発生させやすい設備又は、水温が比較的高めの設備がある場合
2)学校プール水
項目名 |
基準値 |
検査頻度 |
遊離残留塩素 |
0.4mg/l 以上であること、また、1.0mg/l 以下であることが望ましい |
使用日の積算が 30日以内ごとに 1回 |
pH値 |
5.8以上 8.6以下であること |
大腸菌 |
検出されないこと |
一般細菌 |
1ml 中 200コロニー以下であること |
有機物等 |
過マンガン酸カリウム消費量として 12mg/l 以下であること |
濁度 |
2度以下であること |
総トリハロメタン |
0.2mg/l 以下であることが望ましい |
使用期間中の適切な時期に 1回以上 |
循環ろ過装置の
処理水 |
循環ろ過装置の出口における濁度は、0.5度以下であること、また、0.1度以下であることが望ましい |
毎学年 1回定期 |
※
毎授業日の点検
水中に危険物や異常なものがないこと
遊離残留塩素は、プールの使用前及び使用中に1時間ごとに1回以上測定
pH値はプールの使用前に1回測定し、pH値が基準値程度に保たれていることを確認
透明度に常に留意し、プール水は、水中で 3m 離れた位置からプールの壁面が明確に見える程度に保たれていること。
※
使用日数の積算が30日を超える場合はさらに1回以上行う。